双極性障害(躁うつ病)

気分が高まりすぎる【躁状態】と気分の落ち込みである【うつ状態】を繰り返す病気です。以前は躁うつ病とも呼ばれていましたが、現在は双極性障害が一般的です。落ち込んだり、気分が高揚したりするといった気分の波は誰にもあるものです。しかし、周囲から見ても「いつもと違う感じ」と気づかれていて、周囲の人が困ったり、社会的信用を失ったりするようなことがある場合、双極性障害が疑われます。躁状態が軽度な場合は、自分では気がつきにくい場合もあります。症状も変化しやすいため、日常生活がよく分かるご家族からの情報も重要となります。「なにか感じが変だな…」と感じる場合には、精神科の受診をご検討ください。

躁状態を疑う代表的な症状

  1. 自尊心の誇大:自分が偉くなったように感じる(根拠のない自信)
  2. 睡眠欲求の減少:睡眠時間が短くても平気である
  3. 多弁:いつもよりおしゃべりになる、あるいは話し続ける
  4. いろいろなアイデアが湧いてくる
  5. 注意散漫:注意が散漫である
  6. 過活動・焦燥感:活動的でじっとしていられない
  7. お金の使い方をコントロールできない
  8. 対人関係でトラブルを起こす

(DSM-5より一部改変)

気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的であったり、イライラしがちであることに加えて、普段とは違った様子で以上の症状が複数ある場合には躁状態が疑われます。

躁状態とうつ状態がみられる場合に、双極性障害が疑われます。最初は軽い躁状態または躁状態がなく、経過中に躁状態が出現する場合もあります。そのため、診断が難しく、時間がかかる場合があります。うつ病を疑われて治療を始めたものの、その後の経過で判明することもあるため、精神科専門医師による診察が望ましいです。双極性障害とうつ病では治療方針や治療薬が異なるため、適切な診断をされることが重要な疾患です。

特に、躁状態の症状は診察の場面だけでは見逃されやすいので、心当たりがある場合には主治医やスタッフにお伝えいただくことが重要です。