こころのミニ通信

MPSセンターで配信している こころの通信 に掲載しているサブコラムを公開しています。メンタルヘルスにまつわるトピックとなっていますので、是非ともお読み下さい。

2023年02月号 ~ 介護を受ける親のこころ

介護を受ける親のこころ

 メインコラムでは介護をする側のストレスについてご紹介しましたが、介護を受ける親側も葛藤を抱えているかもしれません。

 介護を受ける側は、「自分が周りのケアを必要とする」という現実に直面し、これまでの自立した生活から大きな転換を迎えます。自分の老いがどうにもならないという諦めの気持ちや、これまで通りに動けないことへの悔しさや情けない気持ちを持ちやすい時期です。

「家族に迷惑をかけてしまう」「自分の子どもにつらい思いをさせてしまう」と申し訳ない気持ちを抱く方もいらっしゃいます。そのような気持ちが強い場合、介護をする子どもに愚痴を話したり、つい八つ当たりしてしまうこともあるかもしれません。

介護する中でコミュニケーションに難しさを感じたときは、親の気持ちを理解することがヒントになります。周囲の人やカウンセラーに相談することや、セルフケアで自分をいたわることも大事にしましょう。

 また、親が自らできることや、やりたいと意思表示したことを活かす、生活の中での楽しみや人とのふれあいを持てるようにするなどのサポートで、親が老いや介護を受けることへ前向きになり、自身の変化を受け入れやすくなることもあります。可能な限り、お互いが気持ちよく介護に向き合えるといいですね。

 

今月のひとこと

変化を受け入れる怖さ

介護には、親の身体や様子の変化、家族との関係性の変化、住環境の変化、周りの人々とのつながりの変化…と、さまざまな変化が詰まっています。

介護に限らず、育児や異動、友人関係など、ふとしたときに変化は訪れるもの。変化はポジティブな面も持っていますが、変化を受け入れるまでは、誰しも緊張したり、不安な気持ちになります。

そんなとき、「頑張るぞ!」と気合を入れるのも一つですが、思い切って「変わることが怖い」と、自分の中でいったん気持ちを認めてしまうのも、変化を受け入れる大切なプロセスかもしれません。

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