こころのミニ通信

MPSセンターで配信している こころの通信 に掲載しているサブコラムを公開しています。メンタルヘルスにまつわるトピックとなっていますので、是非ともお読み下さい。

2024年11月号 ~ 異なる意見や想いを受け取るとき

異なる意見や想いを、受けとりやすくするには?

たとえば皆さんは、

「おにぎりの具は何が合うと思う?」

と尋ねられたら、

何て答えますか?

 

「私は梅干しが合うと思う」

と言うひともいれば、

「たらこが自分の中ではベスト」

と言うひともいるかもしれませんし、そもそも

「お米が苦手」なひともいるでしょう。

 

もし、たらこが相手にとってのベストだからといって、

梅干しが好きな自分の味覚がダメということはないように、

「相手に自分と違う意見や想いがある」=「あなたへの否定」

ではありません。

 

しかし、お仕事の話になるとどうでしょうか。

特に、自分より職位や年次が上になる相手から、

自分と異なる意見を伝えられたとき、

自分自身が否定されたように感じることは、

少なくないかもしれません。

 

そんなときは、この

「おにぎりの具は何が合うと思うか」という話

を思い出してみるのも一つです。

 

「この方は梅干し(=A案)推しなんだな」

「お米(=B案)は好まない方なのね」

といった風に置き換えてみると、

お互いの「違い」は「否定」ではなく、

「別の視点・感覚」として、

受けとりやすくなるところがあるかもしれません。

 

「A案以外ありえない!」

「絶対にこうするべき」など、

断定的な表現が多い相手の場合には、

バリアが自分を守ってくれるイメージをしながら、

話を聴いてみるのも一つでしょう。

 

今月のひとこと

適応のあり方は、さまざま

皆さんは、

植物の種子が、成長に適したタイミングを選んで、芽吹く力がある

ということをご存知でしょうか。

 

たとえば寒さに弱い植物であれば、

冬はあえて種子の状態で過ごし、

春が訪れてから芽を出すことができるそうです。

 

ひとの社会では、

厳しくつらい環境でも、

乗り越えていくことが良しとされがちです。

 

しかし、

植物のように力を発揮しやすい環境を選んだり、

困難な時期にはひと休みすることも、

重要な「生存戦略」ではないでしょうか。

 

参考:川上直人(2021)種子休眠・発芽の生理とメカニズム,牧草と園芸,第69巻,第4号,1-6

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