異なる意見や想いを、受けとりやすくするには?
たとえば皆さんは、
「おにぎりの具は何が合うと思う?」
と尋ねられたら、
何て答えますか?
「私は梅干しが合うと思う」
と言うひともいれば、
「たらこが自分の中ではベスト」
と言うひともいるかもしれませんし、そもそも
「お米が苦手」なひともいるでしょう。
もし、たらこが相手にとってのベストだからといって、
梅干しが好きな自分の味覚がダメということはないように、
「相手に自分と違う意見や想いがある」=「あなたへの否定」
ではありません。
しかし、お仕事の話になるとどうでしょうか。
特に、自分より職位や年次が上になる相手から、
自分と異なる意見を伝えられたとき、
自分自身が否定されたように感じることは、
少なくないかもしれません。
そんなときは、この
「おにぎりの具は何が合うと思うか」という話
を思い出してみるのも一つです。
「この方は梅干し(=A案)推しなんだな」
「お米(=B案)は好まない方なのね」
といった風に置き換えてみると、
お互いの「違い」は「否定」ではなく、
「別の視点・感覚」として、
受けとりやすくなるところがあるかもしれません。
「A案以外ありえない!」
「絶対にこうするべき」など、
断定的な表現が多い相手の場合には、
バリアが自分を守ってくれるイメージをしながら、
話を聴いてみるのも一つでしょう。
今月のひとこと
適応のあり方は、さまざま
皆さんは、
植物の種子が、成長に適したタイミングを選んで、芽吹く力がある
ということをご存知でしょうか。
たとえば寒さに弱い植物であれば、
冬はあえて種子の状態で過ごし、
春が訪れてから芽を出すことができるそうです。
ひとの社会では、
厳しくつらい環境でも、
乗り越えていくことが良しとされがちです。
しかし、
植物のように力を発揮しやすい環境を選んだり、
困難な時期にはひと休みすることも、
重要な「生存戦略」ではないでしょうか。
参考:川上直人(2021)種子休眠・発芽の生理とメカニズム,牧草と園芸,第69巻,第4号,1-6