完璧主義との「程よい」おつき合い
皆さんは、「完璧主義」と聞くとどのようなイメージが浮かびますか?
常に失敗のない状態をめざす姿勢や、高い目標に向かって努力を惜しまない姿を思い浮かべるでしょうか。
心理学では、完璧主義の傾向が強い人は、自分で自分を駆り立てる心の声、「ドライバー」が働いているとされています。「完璧であれ」というドライバーに駆り立てられ、ミス無く高いクオリティで仕上げるために、長時間働く方もいるでしょう。
このドライバー自体は悪いものではなく、仕事で役立つこともあります。しかし、ドライバーが強すぎると、達成したことではなく失敗ばかりに目が向きすぎたり、心身が疲れ、思うようなパフォーマンスを発揮しづらくなる場合があります。完璧を追求するあまり、完璧から遠ざかっていく苦しさを感じることもあるでしょう。
私たちのエネルギーには限界があるので、「これだけは手を抜かずにやりたい」と思うものに力が注げるよう、全力投球するタイミングを絞ってみるのも一つです。また、「これでも十分だ」「程々にしてみよう」と自分に声をかけるのもよいでしょう。
ただ、長年自分とともにあるドライバーに気づき、和らげるのは難しいものです。ドライバーとの「程よいおつき合い」について、時にはカウンセラーに相談することも視野に入れてみてくださいね。
今月のひとこと
注意の前に労ってから
上司や先輩から「ちょっといいですか」と声をかけられると、「何を言われるのか」と身構えてしまう方も多いかと思います。緊張した状態では、指導や注意をしても頭に入らない…、なんてことにもなりかねません。
そこで、指導や注意の前に「労いの言葉」をかけてみてはいかがでしょうか。例えば、最初に「〇〇さん、先週は急な仕事を引き受けてもらい助かりました」と伝えてから本題に入ります。
「注意する前に労いの言葉?」と思われるかもしれませんが、相手が注意を受け止めるための余裕を作りやすくなるかと思います。