容姿にまつわる声のあやうさ
「○○ちゃん、目が大きくてかわいい」「○○くん、身体が大きくてかっこいいね」
……褒め言葉として使われることが少なくないですが、特に幼い子どもに対するそのような声かけが重なると、「外見が良いことは大切なんだ」という意識の刷り込みにつながります。
冗談やアドバイスのつもりだったとしても、子どもの容姿をからかったり批判する場合は、なおのことコンプレックスを強めるでしょう。
自分の子どもやその同級生、親戚の子など、容姿の良し悪しに関する声かけをしていないか、いちど立ち止まってみましょう。
子どもに限らず、パートナーや友人なども同様です。気の置けない間柄だからこそ、容姿の話題を気軽に出してしまうこともあるかと思いますが、容姿に限らず、「ただ、あなたが大切」というメッセージも、一緒に伝えられたら素敵ですね。
また、職場でも、「あなたは美人だから、ご挨拶に伺えば先方も喜ぶと思う」「イケメンがいると職場が華やかになるね」などの声かけは要注意です。
良かれと思って口に出したとしても、「容姿=職場でのあなたの価値」というメッセージを含んでしまうため、言われた側が「容姿を褒められて嬉しい」と感じるとは限りません。
職場内で相手にポジティブなコメントをしたい場合は、職場で見えるふるまいや、仕事ぶりに注目するとよいでしょう。
今月のひとこと
性別らしさから離れたいとき
「この性別の場合はこのような見た目がふさわしい」とされている外見になることに、抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「性別らしさ」に対する社会的な考え方は根強く、「自分はスタンダードから外れている」と周囲の目を気にして思い悩むこともあるかもしれません。
現状、私たちは、多くの場面で「性別らしい外見」が求められます。ですが、「性別らしさ」ではなく「(公序良俗に反しない範囲で)自分が心地いいと思えるかどうか」を大事にできる世の中になることを願っています。