こころのミニ通信

MPSセンターで配信している こころの通信 に掲載しているサブコラムを公開しています。メンタルヘルスにまつわるトピックとなっていますので、是非ともお読み下さい。

2025年10月号 ~ 容姿にまつわる声のあやうさ

容姿にまつわる声のあやうさ


 「○○ちゃん、目が大きくてかわいい」「○○くん、身体が大きくてかっこいいね」
……褒め言葉として使われることが少なくないですが、特に幼い子どもに対するそのような声かけが重なると、「外見が良いことは大切なんだ」という意識の刷り込みにつながります。

 冗談やアドバイスのつもりだったとしても、子どもの容姿をからかったり批判する場合は、なおのことコンプレックスを強めるでしょう。
 自分の子どもやその同級生、親戚の子など、容姿の良し悪しに関する声かけをしていないか、いちど立ち止まってみましょう。
 子どもに限らず、パートナーや友人なども同様です。気の置けない間柄だからこそ、容姿の話題を気軽に出してしまうこともあるかと思いますが、容姿に限らず、「ただ、あなたが大切」というメッセージも、一緒に伝えられたら素敵ですね。


 また、職場でも、「あなたは美人だから、ご挨拶に伺えば先方も喜ぶと思う」「イケメンがいると職場が華やかになるね」などの声かけは要注意です。
良かれと思って口に出したとしても、「容姿=職場でのあなたの価値」というメッセージを含んでしまうため、言われた側が「容姿を褒められて嬉しい」と感じるとは限りません。
職場内で相手にポジティブなコメントをしたい場合は、職場で見えるふるまいや、仕事ぶりに注目するとよいでしょう。

今月のひとこと

性別らしさから離れたいとき

 「この性別の場合はこのような見た目がふさわしい」とされている外見になることに、抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
 しかし、「性別らしさ」に対する社会的な考え方は根強く、「自分はスタンダードから外れている」と周囲の目を気にして思い悩むこともあるかもしれません。
 現状、私たちは、多くの場面で「性別らしい外見」が求められます。ですが、「性別らしさ」ではなく「(公序良俗に反しない範囲で)自分が心地いいと思えるかどうか」を大事にできる世の中になることを願っています。

バックナンバー

2025年10月号 ~ 容姿にまつわる声のあやうさ

2025年9月号 ~ 「中途半端」というバランス

2025年8月号 ~ 香りの心遣いも大切に

2025年7月号 ~ 相談をためらってしまうとき、どう考えると楽になる?

2025年6月号 ~ 「ソーシャル・ジェットラグ」にご注意!

2025年5月号 ~ 食事から考える心身の健康

2025年4月号 ~ コミュニケーションツールを使い分けよう 

2025年3月号 ~ 完璧主義と程よくつき合う 

2025年2月号 ~ 時には、ゆだねてみよう 

2025年1月号 ~ 女性のミッドライフ期

2024年12月号 ~ やさしいボディスキャン

2024年11月号 ~ 異なる意見や想いを受け取るとき

2024年10月号 ~ 緊張との付き合い方

2024年09月号 ~ ストレスチェックでセルフモニタリング

2024年08月号 ~ アルコールの飲み方

2024年07月号 ~ 困りごとに向き合う姿勢づくり

2024年06月号 ~ こころを天気にたとえるなら?

2024年05月号 ~ あなたのまわりのこころの専門家

2024年04月号 ~ 睡眠 と 呼吸

2024年03月号 ~ ほめる ことば

2024年02月号 ~ 情報との付き合いかた

2024年01月号 ~ セルフケア の捉えかた

2023年12月号 ~ 年末年始の過ごし方

2023年11月号 ~ 大切にしたいこと はなんですか?

2023年10月号 ~ ポジティブな感情でリフレッシュ

2023年09月号 ~ 眠るための環境づくり

2023年08月号 ~ ほどよい落としどころ

2023年07月号 ~ 「怒り」のケア

2023年06月号 ~ 過ごし方は「あじわい」がポイント

2023年05月号 ~ 「生きざま」を動物に喩えて

2023年04月号 ~ 相談にちょっとした工夫を

2023年03月号 ~ 悲しみとの向き合い方

2023年02月号 ~ 介護を受ける親のこころ

2023年01月号 ~ 身体の様子は「見張らず、見守る」

本コンテンツについて

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